おととい、雨上がりに散歩に出かけました。
代官山ヒルサイドテラスをふらふらっと歩き、
PETIT BATEAUを出てから、駅の方に向かおうと
旧山手通りに架かっている歩道橋を渡ろうとした時、
交番の前を左に少し下っている道がとても気になりました。
この道、右手に少しカーブした下りの坂道は昔から
入り口をちらっと見ることはあっても、歩いたことがありませんでした。
行ってみよう。
その坂道は両側を高く茂った樹が覆われて、
空は葉の間からちらちらと見えるほどです。
こんな道になってたなんて。
しばらく歩くと左手に草むらが広がっています。
その草むらの中には高い杉の樹が。
そこが東京だとは信じ難いくらいの静けさと緑。
軽井沢とか蓼科とか、そんな感じ。
雨上がりだったので、余計に緑の色が深く、
青い香りが立ち込めているようでした。
いつも歩いているヒルサイドテラスの裏側が
こんな風になっているなんて知らなかった。
人通りもなく、こんな静寂をここで味わえるなんて
思ってみませんでした。
江戸時代、この近くに石うすの目切りをする石工、
伊藤興右エ門が住んでいたこと、
斜め切り通しになっている坂の形状が、
ちょうどひき臼の目切りに似ていることなどから、
目切坂と呼ばれるようになったといわれているそうです。
また坂の両側には樹木がうっそうと繁り、
昼でも薄暗かったため、゛暗闇坂”とも呼ばれていたということです。
いつも曲がらない角や、通ったことのない道に足を踏み入れて
いままで見たことのない景色をみると、何だかすごい発見をしたように思えます。
こんな新鮮な感動が日常にちりばめられてると思うと、
梅雨空にも負けず、開拓の散歩にとても、とても魅かれます。
都営上目黒アパートのところに咲いていた紫陽花。
この古いアパートがまた一層、この散歩を現実から
遠いところに連れて行ってくれたような…