お正月の歌舞伎は顔ぶれも演目も、
ちょっと派手でおめでたい雰囲気。
やはりこういう豪華な配役の時は見たいね、と
母と2人、壽初春大歌舞伎の夜の部を
観に行ってきました。
私は前に用事があり、一幕から観ることは叶わず…
二幕の途中からの観劇となりました。
演目は
一、廓三番叟
二、祇園祭礼信仰記 金閣寺
三、新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子
四、処女翫浮名横櫛 切られお富
二幕は松本幸四郎、中村吉右衛門、坂東玉三郎と層々たる顔ぶれだったのですが、
私が席に着いたのはもう幕の下りる寸前。
玉三郎演ずる雪姫が両手を縛られたまま足で鼠の絵を描くなんていう名場面もあったのに、
それには間に合いませんでした。残念。
三幕は勘三郎の鏡獅子。踊りもすばらしかったけれど、
鼓と笛、三味線のお囃子がもう、息を呑むほどの迫力で、
胸がスッとするような、何とも言えない爽快感がありました。
以前にも鏡獅子は見たことがあったけれど、今回が一番良かった!
四幕の「切られお富」は人気狂言『与話情浮名横櫛』の河竹黙阿弥によるパロディ。
話の展開が面白く、美しい女形のイメージが強かった中村福助が演じた
あばずれお富が、何だか粋で、これも観ていて気持ちがいいものでした。
普段の生活ではもう、すっかりお正月気分なんてどこかに行ってしまったけれど、
こうやって歌舞伎座では1月の舞台はずっと「壽初春」。
おめでたさの余韻をたっぷり満喫した夜でした。