気になっていた映画「
Bobby」を観てきました。
Bobbyとはアメリカ35代大統領John.F.Kenedyの弟、
Robert Francis "Bobby" Kennedyのこと。
この映画は、大統領選挙への立候補を表明し、
国民の希望を一身に背負いながら選挙運動を展開、
多くの支持を集めて、あともう少しでその願いが叶うというところで
銃弾に倒れたBobbyの1968年を描いた物語です。
この1968年というのはアメリカにとってとても重大な年であることを知りました。
泥沼化するベトナム戦争から抜け出せず、人種差別はなくならず、
キング牧師は暗殺され…
そんなアメリカ国民にとって、本当にBobbyは希望の星だったわけなのです。
映画の最後の15分くらいは、キャストの台詞はなく、
突然の銃弾の発砲に混乱する人々の映像がBobbyの演説とともに流れるだけ。
でもその演説の内容は、どんな台詞よりも静かに説得力のあるもので、
知らぬ間になぜか涙がこぼれてきてしまいました。
Bobbyの理想とすることは、ややこしいことではなくて、理屈ではなくて、ただ単純に、
この世に生を受けた人々が、その人生を最後まで悔いなく全うすること。
あれから40年も経った今、まだまだBobbyの理想とした世の中になっていないことを
きっとBobbyは嘆くんだろうな。
同時に今、自分の思いの全てを託し、それが奪われたことにこんなに絶望し
嘆き悲しむ対象となるような政治家っているかなぁって、率直に考えました。
そして私の中にある「どうせ変わらないし…」という思い。
アメリカ国民が直面した「絶望」と私が漠然と感じる「失望」。
絶望を感じるほどの信念がないことが、現代の危うさのような気がしました。
「ただ与えられた人生を悔いなく全うするという」、シンプルな信念が。